【詐欺の詐欺】ホストと客の行く末

裁判傍聴記録
Fake Dictionary, definition of the word scam.
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もうタイトルからしてややこしいけれども。

詐欺

事件概要

いわゆる特殊詐欺の起訴。

事件の概要としては老人宅に電話をかけた上で相手方へ封筒の入った100万円を受け取ったというものが1件、200万円を受け取ったものが1件。

というだけなら話は簡単なのだが…

 

そもそも、被告人の供述によれば本人はこの事件にはほとんど関与していないという。

昔ホストをやっていた時のお客さんの女性から連絡をしてきて、良い仕事があるからやらないか?と声をかけられたという。しかし内容を聞くと明らかに犯罪行為なので本人は躊躇し、「それなら受け取りに行く家までついて来て」と女性に言われたため、それならまぁいいかということで老人宅の住所を調べ、乗換案内を見て一緒に行ったのだという。

問題はここからで、その時に100万円を受け取るということになっていたものの、受け取った封筒には1万円しか入っていなかったということにしてトンズラしよう、ということを女性に提案した。女性は難色を示したがそこはホスト、言葉巧みに「一緒に逃げよう」などと説得して結局女性から封筒を預かることにして、この女性にも「あれ?本当に1万円しかはいってない。他はすべて偽札だよ」のようなことを言ってこの日は解散。

また別の日に200万円の件で同じことをして、女性の方が逮捕されたので芋づる式にバレた、ということらしい。

 

どうにも稚拙な…と思うのだが、女性の方は何しろこの被告人のことが好きだったらしいのだ。それは被告人も分かっていて、それをうまく利用したような形である。因みに被告人は当時結婚していて(現在は離婚)、それも女性客の方は知っていたようである。だから余計にややこしい。

 

この女性が指示を受けていわゆる「受け子」になっていたのだが、まぁ言えば被告人が横取りしたような形である。

もちろんお金は被告人のところにあるから、被害者に弁済する必要はあるのだが、そもそもこの指示をしたり電話をしたりしたのは別のグループで、あくまでも女性が受け子をするのを手伝ったと、そういう事情である。

被告人の言い分としては自分は指示グループとは関わっていない、一切自分とコンタクトを取ったことがないから向こうも自分の連絡先や名前は知らないはずだということなのだが、女性の方は被告人がとってきた仕事もあって、それを一緒にやったこともある、という供述をしているらしい。

ただ女性の方は既に逮捕されていて執行猶予中だったそうだから、塀の中に入ってしまえば…という考えがもしかしたら被告人にはあったのかもしれない。

 

何とも面倒な事件である。いずれにしても被害者が出ているという点には変わりないのだが。

指示グループも得られるはずのお金が来ないのでイライラしていることだろう。

 

ミッドポイントで見るタイミング

ミッドポイントで見てみると、確かに100万円の方の事件ではあまり乗り気でなさそうなことが分かる。しかし2回目の200万円の方はおそらく自分から発案したか、あわよくば的な考えがあったのではないか。

 

それは、2回目の時にしか出てこない

水星/ドラゴンヘッド=天王星、火星

という組み合わせがあるからである。

1回目の時には金星/天王星=火星というのがあったのだが、一般的には恋愛のことを示すようだが…そうとも言えないだろうな、と思う。

どちらにせよこの軸であれば衝動性の強さのようなものが顕著に出ると思うが、ということはつまりお金への衝動性なのか、他に何か理由があったのか…まぁ一瞬でもこの女性のことを「可愛いな」と思うことはあったかもしれないが、法廷では被告人はこれについて否定している。

 

本人の星

出生日からネイタルチャートを出すと、太陽と土星がコンジャンクション。それもかなりタイトである。

これに対してやはり同じようにタイトに火星がクインカンクスになっている上、太陽と木星はスクエアになっている。木星と火星の相性は良いのだが、太陽があまりにもしんどいだろうな、という感じ。本人は魚座がすごく出ていて、人の好さそうなというか、声は小さいが「もう少し大きな声で」と言われれば素直に応じるような真面目さが出ていた。

 

月が恐らくノーアスペクトなのと、火星が獅子座なのはホスト向きだろうなと思うし、今の日雇い派遣では梱包をしているらしいがそれもそれで太陽と土星のコンジャンクションは生かされる。

ハウスが分からないから何とも言えないところではあるのだが、「無心になってやれること」は月のノーアスには向いているのだ。ホストであれば客に感情移入をしないという点で「無心」だし、梱包作業もひたすらに目の前にあるものをこなすだけなので無心になってやる作業である。

そういう意味ではうまく星を生かしているなぁと思うのだが、この被告人、この犯罪で得た金はブランド品を買うなどして全て使い果たしたらしいのだ。

これは悪い方に出ているなぁと思うが…

ホスト時代にどれだけ稼いでいたのかは知らないが、結婚して子供もいたそうだからある程度は収入があったのだろう。しかしそれをやめてからの収入があまりにも低く、自分で自分がみじめになったのかもしれない。そのみじめさを何かで埋めようとしてもそれは絶対に不可能だし、自分でどうにかするしかない。しかし彼にはそういう気力がなく、しかもこの頃はちょうど鬱々としていただろう時期だから、なおさらこういう話に引っかかってしまったのだろうと思う。

本来であれば、この女性からの「ついて来てほしい」にも応じてはいけなかった。しかしそこは魚座の優しさが出てしまったのかもしれない。

 

 

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