裁判の傍聴には相変わらずちょこちょこ行きつつ、
どうも時間が捻出できないので
とりあえず雑感だけ。
先日見たうちの1件は、割と若い男性が起こした暴行および傷害事件だったのだけど、
証人に若い女性が来ていたので
親族か?
と思ったらなんと婚約者…というか、交際相手だった。
話を聞く限り婚約者というか、ただ単に女性の方がそう思っている、という感じだったけど。
それで、この女性は一体何を証言するのかなと思っていたら
要するに更生するのに私が頑張りますというだけの話。
で、何回でも「この人と結婚して」、「私が妻になって」という架空の話をするんである。
法廷で公開プロポーズか?
と冷めた目で見ていたのだが、なんとまぁ途中でこの女性が感極まって泣き出した。
そもそもこの事件は見知らぬ女性に対して殴りかかろうというために起こした事件で(実際に殴ってはいないが相当な力で女性の両腕を握ったため、痣が残ったので傷害事件になった)、事件を起こした本人は朴訥としたモテそうにない普通の青年である。
で、この女性の方が妙にメンヘラチックというか、身ぎれいにしているしネイルもしているし、生活水準は割と高そうではあるのだが、変に勝気な感じと、被告人に泣きながら「早く帰ってきて」というのと、裁判官には「自分の心の闇と向き合ってもらって」などと証言し、どうもつじつまが合わない。別に人間だからつじつまが合わないのは誰しもあるが、それにしてもなんだかおかしい。
大体、過去にも強盗をやって捕まって懲役食らってるような人がまた事件を起こして、それでも結婚したいと思うって、普通に考えて悲劇のヒロイン型ではないだろうか?
親族には当然反対されるだろうし、そういう暴力性があると分かっている男性と一緒になりたいと思うのは普通に考えてまともではない。その攻撃性が自分に向くかもしれないとか通常は考えるはずだからである。
大体この被告人も、むしゃくしゃしたのでやりましたってことなのだが、それもイマイチよく分からない。…と思っていたら裁判官がこの証人に向かって放ったのがタイトルの一言である。
「メンタルが落ち込んで人を殴ろうって、ワケ分かんない事件だと思わない?」
こんなことは打ち合わせにはなかったはずだから、さすがに女性も何と答えたら良いものやらと逡巡していたようだが、また同じことの繰り返しをしていた。
「自分の犯した罪と、自分の心の闇と向き合ってほしいと思っています」
まともに聞こえるが文章にすると支離滅裂である。
「ワケ分かんない事件だと思わない?」
の答えが「向き合ってほしいと思う」。
心の中で「オマエも何でこんなヤツがいいと思ってんのか自分の心の闇に向き合え」と突っ込んだのは言うまでもない。
ということで裁判官は質問を変えた。
「この事件はまぁ、被害者の女性がいるわけだけども、あなたもある意味被害者だと思うんですよ。そうやって真摯に向き合おうとしているあなたのことを裏切ってるわけだからね」
ここから女性が泣き出したんである。
悲劇のヒロインを認められたから?
ここぞとばかりに?
演出か?
と思ったけど、傍聴席に戻ってもまだぐすぐす泣いていたから演出でもない。
類友っていうけど、本当にそうなんだろうと思う。この被告人の男性もいかに自分の生い立ちが不幸であったかを主張するばかりで、特に反省の弁を述べるでもなかったし。
まぁ、それでこの二人が世間でまともに認められて、被告人の方は更生して、幸せになるんなら別にいいんだけど被告人は前科2犯だから、どうなのかなぁ。親族もさじ投げてるのを他人がどうこう出来ないと思うんだけど。今は若さも手伝って「この人には私しかいない!」なんて思ってる真っ最中だろうけども、それ、40になっても継続できるか?
なーんてね、意地悪なことを考えたりしたのでした。
とっとと別れた方が絶対にいいと思うけどね。マスク越しだけどかなり美人だったからもったいない。でも最近、美人な女性ほどこじらせてる気がしてきている…
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